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【ネタバレ注意】風立ちぬ 感想

「貧乏な国が飛行機を持とうとするなんて、矛盾しているじゃないか。(中略)仕事をするために所帯を持つ、これも矛盾だ」(要旨。うろ覚えなのはご容赦)

主人公のライバルである人間が述べた言葉である。「風立ちぬ」の感想は「矛盾」の一言につきる。

 舞台は戦前の日本。戦闘機設計技術は未熟で、ドイツに追いつくために巨額の技術費を支払い、洋物の製品を輸入している。しかし足元を見れば、そこには貧乏な子どもが腹をすかせ、牛が戦闘機を牽いている。主人公とて飛行機に夢を求め、飛行機設計に携わるが、その実際は戦争で多くの人を殺戮する「零戦」を製造する結果を生むことに他ならなかった。主人公の恋人も、主人公は彼女を愛していながら、恋人が結核を快癒させるために療養施設に行くことを拒否するし、彼女の傍らにいるためにタバコを吸うことすらしてしまう。

 しかも、彼の場合そのことから完全に目をそむけてしまっている。彼は国費で留学し贅の限りを尽くした飛行機を作り、子どもに施しを与えることで自分の良心を満足させる。戦闘機についても自分の夢を追っていることを信じて疑わなかった。恋人の生命についても「僕らは一日一日を大切に生きている」とにべもない。

 こうした主人公に、近くの人びとは容赦なく問いかけ続ける。件のライバルは子どもへの施しを「偽善だ」と切って捨てるし、主人公の妹も常に「にいにいは薄情者です」と批判している。上司の黒川も「それは君のエゴイズムじゃないか」と結婚のときに批判する。極めつけは避暑地で出会った外国人の「みんな忘れる」の一言とも言えるだろうか。その結果として、零戦の誕生、恋人の死、そして敗戦という結果を生む。ここで映画のポスターにある「(それでも)生きねば」という言葉が入ってくるのかもしれない。

 私は、映画を鑑賞していて釈然としない部分に襲われたのはやはりそういった箇所である。なぜ、主人公は戦争に対してここまで無関心でいられるのだろう。また、彼女の生を少しでも伸ばすために何かしようと思わなかったのだろうか、ということである。彼は身勝手の薄情者で、それでも「生きる」ということなのか。

 しかし、私はこの作品を鑑賞してよかった、とも思う。一つのことにこだわり続け、立派な作品を完成させ、周囲の称賛を買った主人公。その姿には、一つの憧れを覚えざるを得ないからである。本当の自由人は、羨ましい。彼にとっては、彼女も国も、どうでもよいのかもしれない。
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